ライノセラスとグラスホッパーを解説しているサイトまとめです(2019.4月現在)
突然ですが、ライノセラスとグラスホッパーって、とっつきにくいと困っていませんか?
圧倒的な自由度と、繰り返しのショートカットができるという利点はあるものの、確かにSketchUpに比べると直感的に使える感じではないんですよね。
でも実は、ハマるとかなり万能なんです!ただし、最初に慣れるまで少し時間かかります。
そんな時に、最初のハードルを突破するために、役立つ情報やサイトをまとめてみました!
目次
ライノセラスとグラスホッパーの利点を踏まえた使い方
数字に強いライノセラスとグラスホッパー
とても重要なことがあります。ライノセラスとグラスホッパーは数字を把握できるのです。
面積、体積、角度、曲率何でも来いです。
例えば変な形を設計した場合、面積を拾ったり、後々、設計図書に落とし込むために幾何学的に説明する必要が出てきます。
これができるのはほぼGrasshopperだけです。(REVIT+dynamoって手もありますが)
REVIT の中でも使えるライノセラスとグラスホッパー
そんなグラスホッパーですが、どうやらライノ7からBIMに対応し、REVITの中でも使えるようになりそうです。 Rhinoceros+GRASSHOPPERとREVITの連携についてはテスト中ですが、基本的な流れは押さえられたので記事にしています。 これによって圧倒的な表現力と図面化できる能力が両方とも手に入るようになるのではないかと思います。圧倒的に変な形を作れるライノセラスとグラスホッパー
Rhinoceros とGrasshopperを組み合わせると圧倒的に変な形が作れます。
この造形力こそ、Rhinocerosの戦闘力に違いありません。
例えば、Loftコマンドのみでこんなに自由な形が作れます。それから、こんな変な形も簡単に作れます。これはVRコンテスト用に作った変な家(彫刻)です。
それから、このウェブサイトのトップ画像に使われているハッタリ未来都市も、ライノセラスとグラスホッパーで作っています。
特にこの足元のアメーバ状の形はスケッチアップでは作るのは困難ですよね。
これもライノセラスとグラスホッパーを使えば簡単に作れてしまいます。
それに加え、一斉にバルコニーの形を変形してランダム風なハッタリ未来都市も作成可能です。
方立も一瞬で全部のビルに入れることができます。
例ではかなり適当にやってますが、きちんと丁寧に計画すればもう少し見栄えがするように簡単にできると思います。
ライノセラスはSketchUpみたいな使い方もできる!
しかも、ライノセラスは、実は、スケッチアップみたいな使い方もできるんです!
なので、個人的にはRhinocerosはSketchUpの上位互換なのでは?と思っています。
四角い形と直感性でいえばSketchUpのほうが得意ですけれどね。
ライノセラスとグラスホッパーは繰り返しやパターンが得意
それから繰り返し、パターンは圧倒的にGrasshopoperが得意な分野です。
近年有機的なデザインや変なパターンを使った建築が増えましたよね。
私も本を参考に、こんな変なパターンを作ってみています。
それからなんといっても、繰り返しが効くというのは、繰り返し作業はもはややる必要がないということになります。
これは圧倒的にパフォーマンスが上がる可能性を秘めています。
下の例では、照明をランダムにGrasshopperで仕込んでVrayでレンダリングしたものです。これを手作業でやっていたら洒落になりませんよね。
V-ray を入れればさらにライノセラスとグラスホッパーの表現力が上がる
最近ではレンダリングさえもV-ray with Grasshopperを使ってできるようになっています。
Rhinocerosを介さずに必要な部分だけを直接Grasshopperからレンダリングできるので、モデルが重くなりません!
Grasshopperを使わなくてもVray for Rhinoでレンダリングはもちろんできます。
初めての方やまだV-RAYを導入されていない方は下記の記事で簡単にできるようになりますよ!
ライノセラスとグラスホッパー+c#でコンポーネントを作成できる
GrasshopperではC#コンポーネントの自作ができます。
例えば、for,foreach,while等が使えるのですね。 実はHoopsnakeというプラグインがあり、それでもループ処理をできるのですが、C#で書いた方が格段に簡単にできます。 詳しくは下記の記事にgrasshopperにおけるC#の簡単な使い方を載せてありますのでご参照ください。 それから、grasshopperにおけるC#の簡単な使い方の応用編もこちらからどうぞ。 樹形図やフラクタルについての記事です。それでは、Rhinoceros+GRASSHOPPERの使い方のサイトを6つご紹介したいと思います。
ライノセラスとグラスホッパーの使い方サイト6選
Rhinoceros公式サイト Rhinoの使い方を学ぶ
1時間前後の各種チュートリアル動画(英語)がかなりの数置いてあります。
建築系で注目すべきは「簡単な建物」というスケッチアップ風にライノを使う試みの動画です。
この動画についてはメモをまとめたのでこちらからどうぞ。
ユーザーガイドや、マニュアル(e-mailアドレスの入力がダウンロード時必要)もかなり詳しいので一見の価値ありです。
特にレベル2のマニュアルはG3のサーフェスが、、、の様な突っ込んだ話が出てくるのでとても興味をそそられます。
こちらもサイト内のリンクですが、作図補助機能について英語のマニュアルとモデル等がダウンロードできます。
rhino-gh.com
建築で使う基本機能に絞ったチュートリアル・トレーニング動画がライノセラス(全9時間)とグラスホッパー(全7.5時間)についてあります。
テキストと図の解説付きなので動画を見るのが面倒でも、サラッと内容を把握できるようになっています。
建築関係でRhinoとGrasshopperを0から触る方はこのサイトのチュートリアルから始めるとよいと思います。
それから、ライノのコマンド100個の説明動画(音声付き)とグラスホッパーのコンポーネント150個の説明動画(音声なし)があり、どれもとても重宝します。
Rhinoceros デザインモデリングワークショップ
プロダクト系のライノセラスの使い方を豊富な画像データで徹底解説しているサイトです。基本的に一操作あたり一枚の画像があるので、すごく分かり易いと思います。
それから、記事のテーマが一目瞭然なので、自分に必要な情報をすぐに探せます。
記事量は24記事程度にまとまっており、一記事の密度が凄いので、かなりの分量がありますね。
ライノセラスの使い方
ライノセラス5の技に関する記事が100個程度紹介されています。画像も豊富でとても分かり易くできています。
難易度や使用頻度によるカテゴリ分けをされているというのが特徴なので、自分のレベル帯にあったトピックを探しやすいのがとても良いと思います。
初心者向けの記事もかなりありますので、これからスタートされる方にも丁度良いかと思います。
Grasshopperの使い方
グラスホッパーの基本的なコンポーネントの使い方に関する記事が70個程度紹介されています。
このサイトの強みは初めての方への配慮が手厚いということですね。
Bakeって何?食べれるの?と思っている人は必見です。
基本的な起動と画面の見方とか、コンポーネントの見方、コンポーネント操作、Bakeについて等、初めてGrasshopperを使う上で躓きそうなポイントは全部網羅してあると思います。
構造とデジタル
構造とデジタルに関して幅広く書いてあるページですね。
グラスホッパー用の構造計算プラグインKarambaとグラスホッパーの絡みの手掛かりになりそうなサイトです。
切り口が構造系な感じがするので、構造系の方や構造について詳しく知りたい方は必見です。
GrasshopperとKarambaに関する情報が圧倒的に多いですね!
Syntegrate Japan Blog
Tsumiki Tech Times|積木製作
CGxXRxBIMと言えばここです。 CG関係、UnityxXR系の情報はこちらが参考になりますね! UV展開・シェーダーのTIPs等、一歩先のテクノロジーについて書いてあります。ライノセラスとグラスホッパーのおすすめ本
それから、なんといっても書籍は強い味方ですね。 ウェブサイトと違ってペラペラめくって全体を把握できるのはすごく魅力です。 ここでは私がライノとグラスホッパーを独学する上で、読んで良かった本を何冊かお勧めしたいと思います。Rhinoceros で極める3dデジタルデザイン
fa-arrow-circle-rightおススメRhinocerosで極める 3Dデジタルデザイン ~ver.5.0に完全対応
純粋にライノを学ぶにあたって、最初に読むにふさわしい一冊だと思います。
一見、硬そうな書き方ですが、図が1ページに4枚以上あるので凄くわかりやすく、かつ体系的にライノを理解し、始められると思います。ファイル構造から始まるあたりは一瞬ちょっととっつきにくい感がありますが。
ライノの基礎知識の章でサーフェスオブジェクトのまとめは秀逸で、シームや特異点、非トリムサーフェスとトリムサーフェスの違いなどをわかりやすく解説してあります。
基礎練習の章ではティーカップの作成を通じて、「ヒストリを記録」や「曲率表示」の仕方など忘れがちなライノの機能が網羅されています。
もちろんfilletコマンド、blendcurveコマンド、blendsurfaceコマンド、projectコマンド などのよく使う機能もカバーされていて、ライノを初めて触る人にはとても優しいと思います。
携帯の筐体モデルでは、CurvatureAnalysis コマンド、Drafting Analysis コマンド、、Emap コマンド、zebra コマンド等の使い方が解説してあり、より曲面に対する理解が深まります。
車のホイールの作成では実際の作業工程をみる事で習得したコマンドの応用が利く事がわかります。
スカラプティングによる建築構造物のモデリングでは、DupEdge コマンド、Rebuildコマンド, moveUVNコマンドなどなど、形状操作に使えるコマンドの解説があります。これを用いれば有機的な形状も簡単に作れそうです。
「リビルドする時の制御点の数を次数より1つ以上多くする」などのTipsも重宝します。
3次元モデリング基礎知識の章では、nurbsの理解について数学的な説明があります。普段私が考えていない所まで考察が及びます。数学がわかる人には面白い内容かもしれません。ベジェ曲線、ウエイト、ノット、g1-g4連続の解説などがありとても興味深いです。
有機的なパターンのリング、ハイヒール、キャラクターデザイン等等モデリングの応用方法が後半は続きます。実際の活用例として、とても良いサンプルだと思います。
一番最後にグラスホッパーにも言及がありますが、これはさわり程度です。
情報量
建築度
難易度
とっつきやすさ
Rhinocerosで学ぶ建築モデリング入門
fa-arrow-circle-rightおススメRhinocerosで学ぶ建築モデリング入門
本気でライノで建物やビルを作りに行っている建築寄りのライノ本です。
全体的に画像が灰色が多くて文字が細いのでシュッとした印象のある本ですね。余白が多いので情報量がギュッと集約されているのも特徴です。建築の人が書いてるな!という感じがします。
上の本とは対照的に、サーフェスがどうのという話よりも、最低限必要なコマンドのみを紹介し、一直線にホキ美術館の作り方に突入していくあたり、凄く建築寄りで地味に無駄のない情報量が載っている感じです。
どうやってライノを建築に使おうかということに特化したライノ本だと思います。ホキ美術館というのはとても難しい形をしているので、これをいかにライノだけで作るかということにかけて、一挙手一投足を懇切丁寧に解説しています。
実際に建築の設計現場でこうしてライノが使われているのだなということが分かる、非常に珍しい、とても貴重な実務寄りな本です。「すげー、こんなにまで詳しく書いてくれるのか」と感動さえ覚えるくらいです。
一つ一つの動作の解説が、非常に細やかです。ボタン操作一つ一つまで書いてあるので「enterで決定する!」というところまでしっかりと書いてあります。恐らく、これだけ細かく書いてあれば、この通りにやれば本当にホキ美術館がそのまま再現できるのではないでしょうか。
後半第4章からはビルの設計を通して、コア、スラブ、ボリュームの作り方の基本的解説があります。柱を入れたり、contourコマンドを使用したマリオンの入れ方などの解説もあります。
BIMとの連携に関して若干の記述があります。それから、図面作成の基本的な考え方は他の本には載ってないので、貴重だと思います。レンダリング(ライノ)の記述も若干ありますね。
情報量
建築度
難易度
とっつきやすさ
Grasshopper 入門
fa-arrow-circle-rightおススメGrasshopper入門
この本は図が多くてカラフルで見飽きない感じがするあたりも含め、内容が入門に徹しているという点で、全くgrasshopperは触ったことないよという人には、かなり学ぶことは多く、入り易い一冊なのではないでしょうか。
前半は何を作るというわけでもなく、コンポーネントの使い方を丁寧にしてくれている感じがします。 ただ、これといった魅力的な成果に結びついていないのが、少し勿体ないと感じますね。そこらへんは応用になってしまうから敢えて書かずに幅広くコンポーネントを丁寧に拾っている印象があります。
データ構造とか、クロスカップリングとかはカバーされているので、一通りグラスホッパーの機能を総なめしたいみたいな時に使える教科書的な本ですね。
英語が分かるのであれば下のAADの方が私はお勧めしやすいですが、日本語で入門ということであれば、この本をお勧めします。
巻末のコンポーネント一覧は英語に自信がない人にはとても役に立つと思います。日本語訳で何となく使い方が分かるので、手掛かりになります。英語が分かる人はコンポーネントを右クリックして読めば何となくわかると思うので、あんまり使わないかもしれませんが。
情報量
建築度
難易度
とっつきやすさ
AAD Algorithms-Aided Design: Parametric Strategies using Grasshopper
fa-arrow-circle-rightおススメAAD Algorithms-Aided Design: Parametric Strategies using Grasshopper
英語に抵抗がない方であれば、この本はかなり秀逸です。
これを読めばメッシュの作り方とかの詳細が解き明かされます。
メッシュとサーフェスについて突っ込んで知りたい方、メッシュの頂点の拾い方の方向であるとか少し上のレベルを目指す方にはうってつけの一冊ではないでしょうか。
表紙に使われているパターンの作成方法はこの本にきちんと書いてありますし、内容の深さも保ちながら初心者にもとっつきやすい内容となっています。
分かり易さで言ったら英語なのにNo.1になるんじゃないかと思っています。
グラスホッパーを使っていて、「サーフェスってなんかグラスホッパーで触ってると重いぞ?」とか、「部分的にメッシュにすればモデルって無茶苦茶軽くなるんじゃない?」とか、大規模開発で大量のデータをいじる必要があるといったときにメッシュは避けて通れない道にあると思うんです。
そんなメッシュの話について、日本語の本では、基本的なところから解説してある本がほとんどないんです。そんな中、この本の解説はとても分かり易く秀逸ですね。私はこれを読んでメッシュを勉強しました。
この本は個人的には結構いつまでもお世話になる本なので、買って損はないです。あと、表紙を見てわかる通りおしゃれなので、持ってるだけで嬉しくなります(笑
情報量
建築度
難易度
とっつきやすさ
Parametric Design with Grasshopper 増補改訂版
fa-arrow-circle-rightおススメParametric Design with Grasshopper 増補改訂版 建築/プロダクトのための、Grasshopperクックブック私はこの本を自信を持っておススメします。レシピ集として発展性が非常に高いのがおススメポイントです。
Grasshopperってツールだと思うのでツールの使い方だけ書いてあっても意味がないと思うんです。
例えばお料理の本で、包丁の使い方に終始している本があったら、結局何ができるの??ってなると思うんです。
ところが、この本はレシピ集なので、具体的に何ができるのか明確なんですね。
いうまでもなく「料理のレシピ本」って実用性が高いですよね。
Grasshopperの使い方を学んで結局何に使うの?というところを具体例でたくさん紹介してあるので、とても役に立つと思います。
本を買った人であれば、ウェブからソーススクリプトもダウンロードできますし、人のコードを読むと参考にできるところが非常に多いので、噛み応え満点です。
それから、最初の方にgrasshopperの基本的な使い方の解説も分かり易く私は付箋を付けて重宝しています。
一冊買うなら、私は取り急ぎ、この本を推します!
情報量
建築度
難易度
とっつきやすさ
まとめ
いかがでしたでしょうか、私が独学でライノとグラスホッパーを覚えるうえで参考にしたウェブサイトや本は大体お伝え出来たかと思います。
他にもまだ参考にした本があるので、また、レビューする機会がありましたら、追加で記事を増強していきたいと思います。十分なリソースがあれば、決して難しいソフトではないので、是非是非気軽に触ってみて下さい。
きっと慣れたら、ライノとグラスホッパーは必携ツールとして手放せなくなると思います!
それではまた!