一級建築士試験でテキストの次に私の心の支えになったのは予備校の存在でした。
もちろんテキストは予備校のテキストにするべきです。
私は予備校の学科の授業は一切受けていませんが、教科書を買ったのと3週間直前詰め込みコースを受けたので、そこで接点がありました。
予備校そのものも、又、モチベーションの維持や要所でのアドバイス等貴重なフィードバックをもらえる場でもあったわけです。
今日は、そんな予備校についてお話したいと思います。
というのは、独学では勉強のペースを維持するのがとても難しいのです。
え、こんなに勉強しないといけないの???ってくらい勉強をしないといけないわけですが、その全貌を把握し一日の適正量を着実にこなすためには、ガイドがあった方が絶対にやりやすいと思います。
私は独学でしたので、本当に苦労しました。金があるならどんな予備校でもいいので入っておくことをお勧めします。
目次
一級建築士試験における予備校を勧める理由
独学は時間管理がめちゃくちゃ大変
前提として予備校のテキストと問題集を手に入れることは当たり前なのですが、その文量たるもの半端じゃないのです。
総計1800pのテキスト+ほぼ同量の問題集を解くことになるわけですが、テキスト範囲だけでもこれを全部覚えるの?って感じになります。
はっきり言って私の経験からはテキストは全て出題範囲のソースであるため完全に理解しておく必要があります。
それを試験前までにきちんと終わらせてかつ、試験当日に一番覚えているピークを持ってくるというアクロバットをしないといけません。
これを自分で管理するということがいかに大変かということはなかなか体験してみないと分からないと思います。
こんなことを自分でやるぐらいなら、いっその事お金があるのであれば予備校に通えば良かったと思うのです。
予備校を利用することでエスカレーターに乗っているようにペースを維持していくことができるのではないかと思います。
予備校に通うべきその他のメリット
まずモチベーションになるのは順位の張り出しですね。
自分の名前が高得点取得者として張り出されたり、逆に低い位置に置かれたりすることで、やる気が湧きます。
メラメラと心の日を燃やして成り上がってやろうと思えるのですね。
合格率がどうのという宣伝が良くありますが、一級建築士試験を受けている人で合格している人はほぼ予備校に通っています。
その予備校の中で高得点取得者としてランクインしているのならば、合格圏内に自分がいるかどうかすぐに判別することができますね。
それから的確なフィードバックを予備校の先生から頂くこともできます。
tomoさん、あなたは構造の点数は申し分ないけれども、法規が弱い。
法規は満点を取れる教科だからもう少しがんばってみては?
予備校に絶対通わないと受からない?
自分でペースを作れるのならそんなことは全然ないです。
と言いたいところですが、そのペースを作ることがとても大変なのです。
テキストを逆算してみるととんでもない量を試験までにこなさないといけないということが分かります。
講義を聞いたり宿題をもらったりして受動的に勉強することに慣れている人は確実に通った方がいいでしょう。
問題集はついているので、宿題以上の問題を解くだけのやる気が存在するかがポイントです。
自分のペースをしっかり作ってガリガリ勉強する力がある人であれば、予備校に通う必要はないでしょう。
しかし、その自信がないのであれば、確実に予備校に入っておいた方が、無難です。
公開模試の利用は試験対策として必須
勉強のペースをつかむためには公開模試を利用しましょう。
月1回程度は受けて、自分の進捗状態を常に確認することが合格への道に繋がります。
けっこう頻繁にやっている物なのでぜひチェックしましょう。
それから詰め込みの順番を考える上でも重要な事です。
というのは、試験日に一番多くのことを覚えた状態で試験問題に臨む練習は、模試での練習なくしては不可能です。
一級建築士試験は覚える範囲が膨大なので、覚える順番を間違えると勉強のピークをどこにもってきていいかわからなくなります。
これは繰り返し模試で細かい調整することが必要になってきます。
それから、もちろん、模試の点数が上がっているかどうかで現状把握ができます。
常に現状把握を怠らない事。自分の弱みを把握してそれをひたすら潰すことで点数はぐんぐん伸びます。
予備校の試験前詰め込みコースは必ず利用しよう
最後の追い込みはとても大切です。
私はこの詰め込みコースで20点程度上がりました。
詰め込みコース前は80点程度の準合格圏内にいました。
しかしこの詰め込みコースをしっかりこなすことで私は本番101点をマークしています。
最近のコース内容によっては追加の授業料がかかりますが、必ず受講すべきです。
受講内容は200題の一択の正誤判定問題と模擬試験一回を週3~4回です。
バランスよく計画・設備・法規・構造・施工がちりばめられているので、忘れにくくなっています。
勉強が一番つらかったのはこの3週間でした。
凄い量ですが、痛み無くして得るものなし。
製図試験まで申し込みしておくべきか
私は製図試験は日建学院の講座を受けました。
これは下の記事を参考にしてください。
どの予備校がいいの?
日建学院、総合資格、TACと大手の予備校もありますが、最近はSTUDYINGという格安新興予備校も出てきています。
大手がざっと100万くらいに対し、1/10以下で受講できる新興予備校も、ふところ具合によっては選択肢に入ってくるでしょう。
お金があるのであれば大手が良いのかもしれないですが、ペースを掴む事を趣旨とするならば、圧倒的なコスパを誇る数万円代の新興予備校を使う手もあります。
これについては次章で詳しく述べます。
一級建築士試験における圧倒的にコスパの良い作戦とは
どうしてもお金を節約したい方へ
日建学院からテキストだけ買うという選択肢があります。
正規のルートで買うと13万程度だと思いますが、型落ちであれば、メルカリ等でも安く手に入ります。
ここで気を付けるべきなのは法規のテキストは最新の法改正に対応してない場合があるのです。
よって、必要なのは最新の情報をアップデート教えてもらえる環境が必ず必要です。
もちろん予備校でもいいのですが、WEBコースであれば日建学院といえども動画だけなので、動画であれば格安のサービスを利用するという手があります。
破格で動画のサポートを受けられるサービスも存在する
STUDYINGという動画ベースの新興予備校があります。
このようなサービスを用いることで、なんとフルに予備校を使用した場合と比べ1/10程度の価格で授業が聞けます。
日建学院のウェブコースもどちらにせよビデオ講義なので、同じような動画なのであれば安い方を使うというメリットは計り知れないと思います。
でも、テキストは予備校のを必ず手に入れましょう
しかし、テキストだけは譲れません。
大手予備校のテキストは特別なモノなので、必ず手に入れましょう。
絶対に日建学院や総合資格などの大手のテキストでないと合格できない理由があります。
詳細は以下の記事をご参照ください。
(参考)一級建築士試験の日建学院のテキストとは
総合資格と日建学院のテキストは一級建築士試験の問題の出題ソースとして有名ですね。
この二社のテキストを徹底比較しているので、良かったら、参考にしてください。
以下に日建学院のテキストを少し紹介いたします。
計画
覚えるべき寸法、面積のまとめ等、製図等でも使えるポイントがコンパクトに抑えられて良いと思います。
それから出題傾向の高い建築物の平面図、図、写真なども使っているため、非常に覚えやすくなっています。
計画は完全にメタれば、かなりの選択肢を潰せるので是非、テキストを読み込んで頭に叩き込んでおきたいところです。
欲を言えば建築年表まとめみたいなのがあってもいいのではないかと私は思っています。
私はエクセルで自分で作りました。
設備
一番重宝したのは単位関係の整理が凄まじく分かり易い所です。
中途半端な理解だったところを完全に整理できます。
それから、読み物としても建築設備全般を理解する上で非常に役立つでしょう。
何と言っても図が多いのが素晴らしい所だと思います。
建築設備全般を理解するということは、製図でも求められる知識ですので是非とも網羅しておきたいですね。
法規
建物高さ、階、建築面積、延べ面積等トリッキーな問題に対応できるようにまとめがとても秀逸です。
階に換算する/しない場合や地下の場合のボーナス等も問題を複雑にするので網羅的に勉強ができる構成になっているのはとても助かります。
確認申請が必要かどうか、構造計算ルートの判別問題等も分かり易く整理され頭の中がすっきりすること間違いなしです。
耐火構造・準耐火構造あたりの整理も完全に網羅できます。
防火・避難や地域の種別等も表で一発理解できます。
敷地に対して建物の高さを計算する有名な問題がありますが、これについてもすべての場合を整理して理解できるので、確実な得点源にすることができます。
建築士法、消防法、その他の法規にもすべて出題範囲をカバーし、申し分のない内容となっています。
構造
まず、力学問題は確実に解けるようになります。
テキストは出題範囲全てのパターンを網羅して解説してあります。
毎年必ず5問は力学問題が最初に出ますがこれはサクッと解けるおいしい得点源になりますね。
構造計算ルートや鉄骨造・鉄筋コンクリート造・鉄骨コンクリート造別のポイントもしっかり押さえられており、難易度の高い問題にも対応可能になっています。
構造のテキストはかなり難しいですが、やればやる程味が出てきて、点数の伸びを感じることができると思います。
施工
これは何と言っても図の多さでしょう。
現場をやったことがない私でも図を見て想像するだけで勉強が捗りました。
各工法や、杭の打ち込み方等の図がとても秀逸です。
ディテールや屋根の構造なども図解が素晴らしく、割とすっと頭に入ると思います。
覚えるべき寸法もきちんとポイントが整理してあるので、このテキストを完璧に仕上げれば高得点が望めるでしょう。
テキストは難しそうだなと思った方へ
テキストだけではどうも心配だという方は動画の方が向いているかもしれません。
これは向き不向きがあるので、私のように勉強素材が揃っていればバリバリ勉強できる人もいれば、そうでない方もいらっしゃると思います。
動画によって勉強をするにしても是非テキストは持っていた方が私は良いと思っています。
せっかくの出題範囲がまとまっている貴重な資料なので、是非活用したいですよね。
終わりに
万全を期すのであれば、予備校に通うのが一番でしょうけれども、30万程度のコースも存在するので、そこがねらい目だと私は思います。
最安ルートを目指すのであれば、テキストは予備校の型落ちを狙い、動画はSTUDYINGのような新興サービスを使うというのが一つの手になります。
予備校のテキストの良さは相当なので、なるべく予備校のテキストを手に入れましょう。
入手方法と、何故、予備校のテキストを入手することが重要かは下の記事を参考にして下さい。
それでは、合格を祈っています!