背景3dcgをほぼ独学で学んできた経験から言える事

 

現在の職場についてからおよそ2年半が経ちますが、やっと仮想現実のVRプロジェクトに戻ってくることが出来ました。

リアルを追求するという事は、表現力の幅を広げてくれますよね。

ファンタジーではなく、現実との境目をなるべくなくすという事は自分が正しい表現ができているかどうかの判断がシンプルです。

 

より説得力のある表現を身につける上で仮想現実というのは3dCGを学ぶ理想的な環境だなと思ったりしています。

そんな仮想現実のVRプロジェクトで3dCGを学びつつ業務を続けていく中で、建築からcgクリエイターへと転身した経験を一応シェアしておこうかなと思います。

 

とりあえず未経験の状態から就職につなげられれば、プロとしてのキャリアアップが目指せると考えられるので、流れとしては以下でしょうか。

 

必須ポイントまずポートフォリオを仮で作って用意しアウトプットを決める。

必須ポイントアウトプットのスケジュールを組む

必須ポイント本とウェブ上のチュートリアル一覧をやり込む

必須ポイント無料評価期間を最大限有効活用してポートフォリオを作りきる

必須ポイントポートフォリオを持って面接で夢を語る

 

 

スクールや専門学校に通うのも一つの手だとは思いますが、私は教えられる授業が苦手なので、正直なところ独学が割と好きです。

単純に学校に通ったりするのが私は個人的に好きではないというわけがあります。

職場で得られる経験値が半端じゃないので、まず就職を狙って自分のやりたい絵作りを独学でも自主製作するというおススメルートについてお話したいと思います。

 

3dcgを独学で学ぶ最短ルートは就職する事

 

3dcgを独学で学ぶ最短ルートは就職する事です。

そもそもどうやったら就職に結びつくかという話があるにしろ、腕を磨くには実務レベルの環境にどっぷりつかって働きながら経験値を貯めるのが良いと思います。

 

私はそもそも建築がバックグラウンドにあるので、純粋に0からスタートではないのですが、建築から3dCGに転身した経験は割と再現性があると思っています。

一番重要なのは、職場で得られる経験値が凄いため、まずはなんとしてでも自分を働ける環境にねじ込む必要があるというようなことです。

 

職場で腕を磨く事を独学と呼ぶかはわかりませんが、少なくとも学校に行くというようなことではないので独学の範疇かなと思います。

それでは、私がいかにしてCG業界に食い込むことができたかという経験をもとに、独学と就職についてご説明していきたいと思います。

建築でそれなりに経験を積んでいたので、その部分が評価されていた可能性があるのは注意ですが、キャリアップを目指したい人の参考になればと思います。

「3dcgが好き」が最大の強みになる

「好き」という事は努力の積み重ねを上回ると思っています。

継続的に長期間の努力を積み重ねるという事はかなり難しく、もしできたとしても、

好きでやってるのと義務感でやっているのでは前者が圧倒的にストレスなくできると思うのです。

 

例えば、2dゲームが趣味なのであれば、自然と休みの日はゲームを一日中やりますし、何ならすきま時間も、ちょっとでもやってしまいますよね。

やはり、好きかどうかというのは、自然と圧倒的なアウトプット量に繋がるのでとても重要なポイントなのではないかと思います。

例えばデッサンであっても、アウトプット量に比例して上達する加減は変わってくると思うのです。

 

人間好きじゃないことはそんなに狂ったようにできないと感じていて、いかに自分のフィールドで狂えるかという事がポイントになってくると思います。

クリムトとかゴッホはある意味で(良い意味で)狂った結果、素晴らしい作品を沢山残すことができたのではないかと思います。

彼らは決して義務感で絵を描いていたのではないのではないか。本当にやりたくてやっていたのではないかと。

 

自分は3dCGを好きかどうか、どこまでも夢中になれるか、そこが最初の分岐点で重要ポイントになってくると思います。

私は当初(2021年まで)、建築を目指して進んでいましたが本当に建築が好きかというところでかなり悩みました。

本当に自分は建築が好きだろうか、それとも自分はモデラ―だろうかと自問自答を繰り返していたのですね。

 

その時点で、ちょっと自分は建築に対して純粋な「好き」という想いを持ててなかったのではないかなと思います。

好きな事を探すというのはとても重要な事だと感じています。

特に自分に向けて一番自然で興味の持てる分野がどこか考えるという事は価値があります。

 

私は映像や映画が大変好きなので、今は3dCGの世界に身を投じて、その圧倒的な自由度や、これから起こるであろう素晴らしい未来を楽しみに毎日を過ごせています。

 

アウトプットを常に意識する

好きならばまずはアウトプットですよね。

検索してインプットも良いのですが、結局目的を見失って手段に終始してしまうと、ソフトの使い方を覚えて何も成果物ができないみたいなことが多々あります。

 

ソフトの選択や使い方は基礎的な手段でしかないと私は思っています。例えばHoudiniを学ぶという事は手段であり目的ではないですよね。

以前、知人から指摘されその通りだと思いました。そのソフトを学ぶ理由が、又は動機探しが一番重要です。

 

最終的に何をやりたいのか、凄い背景モデリングをしたいのか、キャラクターを作りたいのか、アニメーターになりたいのか、イラストを描きたいのか、そこが一番重要だと思います。

そして、そのアウトプットを達成するために、どのソフトを選ぶべきなのか、学ぶべきなのか、必要に迫られて覚える技術は本当に自分のものになると思います。

学習すべき事はアウトプットが決まればおのずと決まります。アウトプットをしようとする中で分からない事を分かるようにしていけば良いと考えます。

 

それから、やはりアウトプットとして成果物ができると嬉しいですよね。

スキルが上達して出来上がったモデルやCGを見る瞬間はとても楽しいものです。CGアーティストやクリエーターとして一番の醍醐味です。

延々とツールとにらめっこするより、結果重視で進める方がモチベーションアップにもつながります。

 

Youtubeなどでインプットできてるけど、アウトプットできてない事は多々あり、デメリットになりえますが、

アウトプットができているのにインプットができないという状況は存在しないので、やはりアウトプットが重要と私は思っています。

選ぶことができるのであれば、アウトプットからではないかと思います。

無料評価期間を最大限に使い倒してポートフォリオを作る

 

幸いにして、大抵のソフトウェアには無料評価期間というものがあります

大抵は30日くらいですよね。長いものであれば90日とかあるのかもしれませんが。

HoudiniのようにFBX書き出しができないけれどずっと無料版を使えるようなものもあります。

 

この期間をポートフォリオ作成のために最大限に利用しましょう。

やみくもに評価期間を始めるのはやめましょう。

まずスケジュールを組みます。そして、本当に必要な時だけソフトを使用します

例えばAUTODESK製品であれば、たった30日間しかないのですから!

 

ただし、学生版であればタダで使えるみたいなソフトもあるかもしれませんね。

 

就職してしまえばプラットフォームが手に入ります。無限にソフトウェアをタダで使える環境が手に入るのです。

それまでの、一度きりしかない無料評価期間という機会を無駄にしてはなりません。

私は無料評価期間の間にAUTODESKのコンペに参加したりしていました。

 

おススメのスケジュールの立て方はまずポートフォリオ作成のためのアウトプットを決める事です。

具体的にポートフォリオに載せたいイメージCGをどこからかパクってきて、自分の好きな理想のポートフォリオを作りましょう。

CGは全部プレイスホルダーで良いのです。こんな街をつくりたい、こんな背景をモデリングしたい、キャラクターを載せたい、それで一度ポートフォリオを作ります。

 

自分の作品集を、一度、他人の素材で(もちろん仮置きであとで入れ替えます)作ってしまうという事です。

もちろんこれを提出したりしたら問題があるので、自分の手持ち資料でしかないですが。

それが出来て初めて、何をやればいいかが見えてくると思います。

 

無料評価版を使って期限を切ってそれを作ります。

ただし、評価版の日数カウントを始める前にやっておくべきことがあります。

それは本とチュートリアルを徹底的にやり込むという事です。

チュートリアル+本を徹底的にやり込む

 

実はソフトの使い方は、ウェブと本に載っている情報を徹底して漁れば大概わかります。

それを見ている時間は、無料評価期間と被るともったいないので、事前に行いましょう。

 

それから、やはりまとまった質の高い情報は本から得られます

本は後々役に立つので、どれを買うか迷ったら私は全部買うようにしています。

 

今まで長期間スパンで考えると、買った本の中で役に立たなかった本は一冊もないです。何らかの気付きを与えてくれると思います。

最悪、ポイントのズレた本であっても、後に自分が本を書くときに、「こういう本は書くのをやめよう」と思える参考書籍になります。

 

ソフトウェアを学ぶ上で、導入に向く本、レベルアップに向く本、レファレンスに向く本等、本にも色々あります。

自分の技術の習熟度によって、その時々に必要な本は変わってきます。

 

私はAmazonや楽天市場でヒットした関連本は全部購入します。

専門学校に約何十万も振り込むよりかは安いからです。

 

今、役に立たなかったからと言って未来に役に立たないとは言えませんし、逆に最初のうちしか役に立たない者もあるでしょう。

しかし、それはそれで、その経過時間のどこかで役には立つものです。

 

本を多数所有することで、より多面的なソフトウェアの理解に繋がります。

もちろん読んでないと買っても意味はないですので、難しくても目は通しましょう。

迷ったら全部読む、リファレンスは多いに越したことはありません。

 

そして、本とチュートリアルをやり込んでるうちに、ソフトを触りたい欲求が溜まっていきます。

それが飽和点に達した状態で、ソフトの無料評価期間に突入するのが最良のタイミングになるかと思います。

コミュニティに繋がって質問をする

次に重要なのは、質問できる環境を手に入れる事です。

自主製作をしていると必ず、壁にぶつかります。

その時に有識者に聞けるかどうかは、かなり重要なポイントになります。

 

これは、オンラインの自助グループでも良いですし、個人的にツイッター等で繋がっても良いですが、

何らかのフィードバックを得られるコミュニティに繋がっているととても良いと思います。

私はUnityとHoudiniはスラックの自助会グループに繋がっていて、それに加えてフェイスブック等でもプログラミングとUnityの自助グループに繋がっていました。

 

それからWEB上のフォーラム等も重宝しますね。そこで得られるサポートは何にも代えがたいものがあります。

なるべく多くの人と繋がって、情報を手に入れたり、質問をしたりしましょう。

背景にある技術を理解しITリテラシーを上げる

 

例えば、BOXとかメッシュとか編集可能ポリゴンとかサーフェスとかソフトによって色々な名前の物体が出てきます。

出力形式もOBJ、FBX、Alembic、USDなど様々です。

新しいコンセプトに出会ったら必ず背景にある技術を調べましょう。必ず役に立ちます。

 

例えばPhotoshopやIllustrator等の基礎的なスキルは必要になりますが、拡張子によってデータ形式が違う等の技術的な理解が最初のハードルになるように、

3dCGでも同様にバックグラウンドを理解する必要性があります。

 

3dCGの制作は一つのソフトウェアで完結しない事が多いと思います。

その時に、一つのソフトウェアで例えばサーフェスだったものがその他のソフトウェアでは何として扱われるかなどにも気を配る必要があります。

それを通じて多面的に3dCGで扱うデータの本質がなんであるかを理解することはとても大切だと思っています。

 

DCCツールで何の情報をいじっているのか、その情報がどの様に他のソフトウェアに引き継がれていくか、

そういうことを理解することが3dCGスキルのレベルアップにつながると私は思っています。

 

グループ、ブロック、アトリビュート、法線情報、スムージンググループ、頂点カラー等、ソフトによって引き継がれる情報には癖があります。

ソフト特有のコンセプトなのか、ファイル形式によるものなのか、整理ができてくると、どのソフトを使うべきかが見えてきたりします。

 

結局は全部データなので、IT技術と繋がってくるはずなのです。

DCCツールの使い方に終始せずにその奥にある普遍的なコンセプトを理解するという事を忘れずにいる事が大切だと思います。

就職してプラットフォームを手に入れる

ポートフォリオが完成すれば、それをもって3dCGの会社を回りましょう。

面接では、自分がいかに3dCGが好きかという想いをぶちまけて、夢を語りましょう。(by 弊社面接担当)

 

大抵念押し確認されるのは、残業が多いですが大丈夫ですか、というようなことです。

この時にお金、時給がどうとか、労働環境がどうとかではなく、自分のやりたい事をやっているかどうかのみで判断すべきです。

何故なら、最初は自分が会社から得られる経験値とプラットフォームを得られるというメリットが、遥かに自分の貢献度や提供できる労働力を上回るからです。

 

最初に会社があなたから得られる労働対価よりも経験値の方が多いため、給料が多少発生するだけでも十分すぎるメリットがあります。

それからタダでソフトウェアを使えるプラットフォームが手に入って、同僚に色々な質問ができる権利を頂けて、いいことずくめです。

とりあえず、働けるというだけで最初の頃はメリットずくめなので、給与等にこだわるのは経験を積んでからにしましょう。

 

一度会社に勤めてしまえば、それが実績となり、次の転職ステップに繋がるので、まずは就職することを目標にするのがコツです。

まぁ、もちろん最初から自分のやりたい事ができる良い会社には入れればそれに越したことはないのですが。

なかなか、そううまくは行かないと思うので、少しずつスキルアップしていくのが良いかと思います。

 

私は建築のバックグラウンドと建築関係の様々なプラットフォームを触った経験があったのと、

やはりブログでアウトプットをしていたので、その内容をポートフォリオにまとめて、面接に臨みました。

それから運命的に、自分のやりたい仮想現実のお仕事に就けたので、かなりラッキーだったといえるでしょう。

仕事から学べる経験値は数十倍~

仕事で得られる経験値は自主製作とは比べ物になりません。

 

凄いスピードで色々な事を吸収して、アウトプットして、時間内に納品しなければなりません。

このスピード感と、学ぶ事の多さ、それから時間に対するシビアなコントロール能力等、様々な事が身に付きます

 

今までリサーチに使っていた時間は自分のプライベートでしかできなくなるので圧縮されますし、

週50時間以上を制作に費やすようなことになると思います。企業によってはもっとかもしれません。

 

しかし、ここで得られる経験は何にも代えがたく、職場というのは最高の経験になると思います。

ここで、是非おススメなのは、自分のポートフォリオをリアルタイムで作っていくことです。

自分は何時間かかり、どれくらいのモデリング作業を行えるのか、記録を取るのです。

 

これをやる事で、どの程度の仕事を自分が請け負えるのか理解できますし、より自分の事を客観的に知っておくことができます。

又、次に転職する時にポートフォリオを見せられるのでとても強いと思います。(面接を受けると仮定して)

 

後でやろうと思うと、時間が測れませんし、データがどこに行ったかわからなくなってしまったりするので、なるべく同時進行でリアルタイムに記録を取りましょう。

いつ首にされてもOKなように、データはその都度ポートフォリオに合成しておきたいですね。

 

建築CGと3dcgの根本的な違い

私は建築畑からCG業界に足を踏み入れましたが、本質的な違いがあります。

建築ではCGはおまけでしかなく、設計図面をまとめるのが主要な業務になります。

それに対し、CG業界では体験位置やカメラ位置から見えるものをどれだけリアルで軽く(ローポリで)作れるかという事が重要になってきます。

CADとBIMとDCCツールと

CADといわれる分野のいわゆる二次元の図面ベースの3次元モデリングソフトがありますね。

基本的には2次元の図面を出力する事が目的で、副次的に3次元のモデルも扱えるといったたぐいのソフトウェアです。

これはAutoCAD含め、かなり昔からある図面作成ソフトですよね。

建築モデリングでは割と古い部類に入ります。参考図として利用することが多いです。

 

それに対しBIMという新しい概念がありますね。3次元をベースとしてモデリングを行い、任意の2次元の図面をそこから切り出すタイプのソフトウェアです。

これはかなり建築界ではアツいホットトピックになっています。なぜなら、一つの情報をどこかの図面やモデルでいじると、その他の図面も同時に編集されるからです。

それから、自動で集計を行ってくれたり、レンダリングまで一気通貫できたりモデルを使用するメリットがかなり大きいですね。

ソフト名でいうとREVITとかARCHICADとかになります。

 

上の2つはCG界のポリゴンモデリングではなく、かなり重いデータでできていたりします。

UVという概念もあまりなく、テクスチャを貼るジオメトリ情報も、あるのかないのかほとんど意識することなくモデリングをできますね。

 

一方でDCCツール(Degital Contents Creation)というのがあります。

これが主に3dCG制作で使われるものになります。

ポリゴンモデリング機能とUV展開機能が充実していて、アニメーションまで作れる(Rhinoはないかもしれない)ソフトです。

Rhinoceros、3dsMax、Maya、Houdini、Blender等がそうですね。

 

その中でもあとで紹介しますが、プロシージャルなのがRhinoceros(+Grasshopper)とHoudiniです。REVITもDynamoというプロシージャルベースのGUIが使えます。

プロシージャルとはノードベースで、変更を記録し、後からそのノードの情報を書き換えたり繋ぎ変えたりすることで、非破壊的変更やスケールができるところが特徴です。

 

図面中心型モデリングと背景モデリングと

 

建築モデリングでは、当然、柱、床、梁、階段、天井、等々、図面に出てくるものはすべてモデリングすることになります。

よって、当然外観から見えない部分も作成して、どのような構造になっているかという事が重要ポイントになってきます。

 

また、断面図を切り出したり、建具表や面積表を作成する必要があるため、全ての情報が網羅されている必要性があります。

 

それに対し3dCGでは、体験の中で、見えないところにポリゴンを割くのは無駄でしかないのです。

よって悪く言えば、建物内の構造なんかは破壊することが前提でなければあまり重要ではなく、

それよりも見栄えする表面的な部分にメッシュを割くのが定石です。

 

それから、3dCGでは遠目で見るプロップと、近いところにあるプロップとはLOD(Level of Detail)が違うので、プロップの近さによって、割くポリゴン数を調整します。

建築におけるLODは、どの程度のディテールを入れるか、用途(申請モデルなのか、竣工モデルなのか)によって調整しますが、

体験位置というコンセプトが無いので近さによるポリゴン数の削減等はされません。

 

建築界から3dCG界に転職すると最初に躓くのがそのポリゴンとの闘いです。

UE5が出た今、ポリゴン数を気にする必要があるのかという根本的な問いはあるかもしれませんが、基本的には不必要に重いモデルを作るメリットはないので、

やはりPCに負担を掛けずに高品質を再現できる方がおいしいという事になると思います。

 

建築でのモデリングに慣れていると、CG業界でのポリゴンの扱いの作法に慣れるのに時間がかかると思います。

そもそもUV展開なんて建築ではしないし、ポリゴンについて考えたことはほぼなかったからです。

トランスフォームやガムボール

Houdiniを使うとよくわかるのですが、トランスフォームという概念がありますね。

3dsMaxでも、UnityやUnrealEngineでもトランスフォームは出てきます。そのオブジェクトのスケール回転位置情報が入った箱みたいなものです。

オブジェクトには元のポリゴンレベルでのサイズと、それが入っている箱のサイズと2つの情報があるというような事でしょうか。

 

Houdiniだとよくわかるというのは、Houdiniではまずトランスフォームだけが格納されているジオメトリノードがあり、それの中にダイブインして、実際のポリゴンを作ることになります。

実際のポリゴンにもスケールがありますし、それが入っている箱のジオメトリノードそのものにもスケールがあるという、二重の入れ子構造になっています。

 

そのトランスフォームはUnityやUE5等のゲームエンジンにも引き継がれますし、USDを触る時にもトランスフォームだけ格納されているレイヤーがあるので、理解しておくに越したことはありません。

例えばRhinocerosだけを使っていても気づかないんですね。ライノのモデルを違うソフトウェアに入れた時に初めて、ん?トランスフォームおかしくない?ってなります。

ライノセラスのモデリングではあまり意識することのないパラメーターです。

 

それから、ライノセラスにはガムボールがありますね。3dsMaxでもガムボール(ギズモ?)みたいなのがあって、それがどこにあるかという情報には常に気を配る必要があります。

そのオブジェクトの原点はどこか、何に対して座標軸を合わせるかみたいな話です。

 

これもソフトによって継承のされ方がまちまちなので、あるソフトで中心にオブジェクトが来ていても、

他のソフトに入れたら原点にガムボールがあって、割と画面外にオブジェクトが飛ばされたりとかあるような気がします。

そういう経験を通して、様々なソフトを経由することで、3次元技術そのものに焦点を当てて総合的な理解に繋がる時があります。

UV展開とテクスチャと

これが建築界から3dCG業界に移ってきて一番理解に苦しんだコンセプトです。

 

オブジェクトにUVが4つあって、それのどれがゲームエンジンで参照されるか、そもそもどうやったらいじれるのか、オブジェクト毎の値なのかなんなのか。

Rhinocerosでは全く意識してなかったですし、BIMに関してはUVの概念自体がないです。

 

3dsMaxでのオブジェクトをアタッチやデタッチした時のUVの挙動や、重ね方、ゲームエンジンでライトマップを焼くときにどのように強弱を付けるか等様々な要因が詰まっていると思います。

そもそも建築界のソフトウェアはUVにたいする知識が0でも使える構造になっているので余計ややこしいと思っています。

 

そして、UVに対応して、テクスチャもアルベドとMSO、バンプ、ノーマル等様々な種類のテクスチャを触ることになります。

これは建築界にはない、3dCG業界特有のコンセプトだなと思いました。

仮想現実とゲームエンジンと

昨今話題になっているゲームエンジンがリアルタイムレンダリングに使われるようになったのはこれからの建築界にも大きなインパクトを与えると思います。

何しろ、今まで動画のレンダリングなんて、数日とか時間がかかっていたのが、リアルタイムで瞬時にできるようになってしまったりするので、新しい風を感じますね。

Twinmotionでのレンダリングの記事を上げていますが、本当に簡単にリアルタイムレンダリングができるので是非触ってほしいと思っています。

 

それから、VRで建築のBIMモデルを見せたいみたいな話も多々聞くので、今後は仮想現実とゲームエンジンはどんどん進化していくのではないかと思っています。

私はインタラクション重視のUnity派ですが、UE5のクオリティを見ると、心を揺さぶられたりしますね。

できる事ならUE5のマトリックスのデータを解析して色々学びたいと思っています。

 

これからはゲームエンジンありきで建築のモデリングもされるのかもしれないなと思います。

そこで、最初の話に戻りますが、色々なソフトウェアがある中で、それが全部統合できる環境が無いかという事なのですが、それがやっと見つかりました。

GeForce等のグラフィックカードで有名なNVIDIAから出ているOmniverseです。

 

Omniverseはコネクタといわれる連携プラグインを入れる事で、多くのソフトウェアとのスムーズな連携を可能にしています。

なんとHoudiniのSolarisで使用しているPixerが開発したUSDというファイル形式で全てを扱ってしまおうというかなり先進的なプラットフォームです。

 

これが素晴らしく使いやすく、かつ高画質で、文句のつけようがない(今日現在Unityとの連携が弱いくらい)ので、是非別記事で紹介したいと思います。

話がだいぶ逸れた所で、3dCGを独学するなら何のソフトが良いかについて考えたいと思います。

3dcgを独学するソフトは何が最適か

 

これは難しいところですが、これがおススメ!っていう最適解が無いんですね。

どれも一長一短あって、、、例えばHoudiniって何でもできるんですけど、挫折率の高さから言えば、独学にむくか?ってところで悩ましいです。

UVのいじり易さから言えば3dsMaxが良いですけど、プロシージャルじゃないから、最適解かと言われるとそうでもないですし、、、ってことで、独断と偏見で語ります。

私が触ったことがあるソフトしか紹介しません、Maya、Blender、とかはわからないので割愛します。

どのソフトがどんな時に使いやすいのか

まずは、最終成果物として何が欲しいかによってソフトの選択は変わってくるのではないかと思います。

ランダムで繰り返しが多いとなったらHoudiniですし、そうでなければ3dsMaxの方が早かったりしますし。

アルゴリズムを使いたいならRhinocerosという選択もなくはないかなーと思ったりもします。3dCGの範疇からは少しそれますが。

建築物の図面も一緒に欲しいのであればREVIT一強ですよね。

最終的に何が欲しいかが一番重要だと思います。

3dsmax

まず、基本的には3dsMaxが一番とっつきやすいというか、直感的に使いやすいと思いますね。

ポリゴンモデリングを学ぶなら3dsMaxをやっておくに越したことはないです。UVもかなり好きなように調理しやすいですし。

リグ入れたりアニメーション入れたりも気軽にできますし、最適なポリゴンの割き方とかを考える上で3dCGを理解することを考えるとかなりおススメできると思います。

 

ただし、プロシージャルではないので、非破壊的なモデリングとか、パイプラインの作成とか、プロジェクトのスケール等を考えるとHoudini使えると色々良いですよね。

繰り返しが多いとか、ランダムでスクリプトを用いて色々並べたいとかあると、Houdiniの方が使い勝手良いかなと思ってしまう時があります。

Houdini

ほぼ最強のソフトだと思いますけれども、挫折率の高さがネックになるので、独学を勧めていいか迷いますね。

これでできない事はほぼないのですが、やりたい事がすぐにできるようになるとは思えません。

一番とっつきにくいタイプのソフトになるかと思います。

 

しかし!これを使いこなせたら凄い効率がいいだろうなと思いますね。

私はHoudiniの可能性にほれ込んでるので、個人的には大好きです。アトリビュートっていう概念があって、ポイントやプリミティブに情報を持たせられるのですね。

これが非常に強力で、大規模なモデリングをするときには絶対に重宝すると思います。

 

それからやはりプロシージャルであることの強みは計り知れないと思いますね、非破壊的にモデルを触れる、パイプラインを構築できるという事は長期的なメリットがあります

USDファイルもソラリスを用いて使えますし、これからも是非触っていきたいと思っています。

Rhinoceros+Grasshopper

ライノが戦闘力を発揮するのは定量的な分析が必要になる時でしょう。

面積とか、体積とか、その他の数字を使いたいみたいなときにとても重宝します。

ガラパゴスを用いた最適化や数学的な要素(Houdiniもできますが)が加わる時には是非使いたいツールです。

 

これもプロシージャルモデリングが可能なので、何か繰り返しが発生したりとかアルゴリズミックな物を作りたい時には是非という感じです。

一応UVもいじれるようですが、UVに強いというイメージはないですね。

 

逆に言うとUVを気にしなくても何でも作れちゃうソフトという考え方もできるのでしょうか。

ただし、ゲームエンジンにもっていったりするときに困りますね。

REVIT+Dynamo

3dCG業界で、建築のモデリングをするかといったら、多分図面含めてすることは少ないと思うのです。

よってこれは番外編ですが、一応仕組みを理解できていると、REVITのモデルを貰った時にジタバタしなくて済みます

建築を志すのであれば今後避けては通れない道だと思いますね。

 

最近であれば、BIMから直接VR空間にモデルを吐き出したりというようなことができるので、建築をやるならぜひ触っておきたいツールです。

Dynamoはプロシージャルのプラグインなので、これもできると面白い建築が作れると思いますね。

3dCG業界とは少し毛色の違うソフトになりますが、気になったら是非ちょっと触ってみて下さい。

Sketchup

箱作るんだったらこれでいいと思います。

要するに四角形の延長で全てを済ませる事が出来るならこれが一番モデリングが早いです。

一番直感的に触れるツールですので習熟度によってスピードが変わらないソフトかもしれません。

 

例えば、捻ったりとか、有機的な形状とかは得意じゃないので、四角い時のみの使用で良いかと思います。

ライノが使えない頃はとても重宝していましたが、ライノをそこそこ使えるようになってからは使ってないです。

でも、かなり使いやすいので、建築で簡単なモデリングをしたい時にはお勧めですね!

おわりに

まとめとしては、まずは何をやりたいのか着地点をはっきりさせたうえでスケジュールを組むという事でしょうか。

そして、本とチュートリアルを駆使してしっかりとインプットをしたところで、無料評価期間で自主製作を完成させる。

そして、あとは面接で熱意をどれだけ組んでもらえるかの勝負になるのではと思います。

 

ポイントまずポートフォリオを仮で作ってアウトプットを決める。

ポイントアウトプットのスケジュールを組む

ポイント本とウェブ上のチュートリアルをやり込む

ポイント無料評価期間を最大限有効活用してポートフォリオを作りきる

ポイントポートフォリオをもって面接で夢を語る

 

3dCGってとても夢のある仕事だと思います。とても大変ですがやりがいがありますね。

やはり好きな事を仕事にしたいですよね!

 

これだけが唯一のルートではないので、あくまでー個人の経験として参考にして頂ければと思います。

それではまた!

 

 

 

 

 

おすすめの記事